「皆で仲良く暮らせたらなあ」

上京して初めて住んだのは下北沢だった。
滅多に帰省しないくせに便利な東京駅の近くにいつか住みたいと願った。
時は過ぎ、気づけば築地に住んでいた。
タクシー不在時は東京駅まで歩き、遠い日の願いが叶えられていたことに気づく。
だが、その築地の部屋は日当たりが悪く、革製品がことごとくカビた。
エアコンもなく、取付けも大家さんに許可されず、真夏は暑さで眠れず泣いた。
いつか明るい部屋に住めたらと願った。
子猫のエミと暮らす流れになり、人生初明るいマンション暮らし。
こうなると掃除も楽しい、洗濯物や布団干しが好きになった。
職場の近くに住み毎日布団をお日様に当てることができたらと願った。
やがて引っ越し、お福も来た。あんのんを立ち上げ、晴天は布団干し。
驚いたことに、小さな願いが全て叶えられている。
「~だったらいいなあ」の軽い思いがイイのかもしれない。
なぜかどの部屋も東南角部屋で、その時にちょうど良い物件だった。
きっと義父との同居も今の部屋もちょうど良いはずだ。
なぜなら、皆で仲良く暮らせたらなあ~と思って見つけたのだから。