前向き

TS3W0715
原発事故のため福島から東京に避難して来られた方々にお会いしたことがあります

私としては、ニュースを見るたびに被災地に行きたいと思いましたが、当時実行できずにいました。
そのころ勤務先でボランティアで指圧する者の募集がありました。
都内に避難して来られた福島の方々にお会いできるというのです。
渡りに船とはこのこと、
私は喜んで府中にある味の素スタジアムに行きました。
皆さんは広いサッカースタジアムに仮住まいなさっていました。
簡単にいえば体育館です。
まだ寒い季節でしたし、住居ではないので天井も高く広すぎて落ち着かないだろうなあ~という気がしました。
そんな中で希望者の何人かを指圧させて頂きましたが、一人印象的な女性にお会いしました。

当然のことですが、ほとんどの方が辛い思いを口にして途方に暮れている、体調も良くないし何もできない、というご様子でした。ただ一人、その若い彼女だけは笑顔で「何でもいいから働くしかないんです」と言い、昼も夜も必死に仕事していました。確かに筋肉は疲労で硬く凝っていましたが、とても良くほぐれました。 明らかに他の方々よりもほぐれやすいんです。
よく身体を動かしているからかもしれませんが、私にはクヨクヨしてないのが良いように思えました。

彼女たちは突然、故郷やそれまでの暮らしを失い、生活が激変しました。凄いショックを受けたはずです。しかし、その中でも彼女は前向きに生きようとしていました。自分なりに一番指圧が効いた理由を考えると、それではないかなと思いました。
身体を動かさず、ただ思い悩むと筋肉もほぐれにくいような気がします。
彼女の指圧が終わったときの喜び方は笑顔がひときわ輝いていて、私の方が感謝したいくらい満たされました。
私達も日々の中で思うことはたくさんありますが、あの女性のように困難に負けずに強くありたいと思います。