猫というもの

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主人も私も実家では犬を飼っていたことがありました。
しかしどういうわけか、猫はあまり歓迎されず、近所でも友人宅でも見かけることがありませんでした。
東京で暮らすようになって数年経ったある時、知人の実家に泊めてもらうことになったのですが、そこには二匹の猫がいました。
夜一人で眠っていたところ、明け方そのうちの一匹に起こされて「布団に入れてよ」と催促されました。
ええ~!?と思いつつ、掛け布団を持ち上げるとゆっくり入ってきて、腕の中でとぐろを巻いて眠り始めるではありませんか。
ビックリしたのと緊張感で一気に目が覚めてしまいました。
先方にも緊張感が伝わったらしく、やがて何も言わず布団から出て行きましたが、思えばそれが私と猫の初めてのディープなふれあいでした。
朝食の際、白い猫が布団に入ってきたことを告げると、ご家族全員が驚かれて「茶色の猫の見間違いではないか?」と言うのです。
白い方はとても人見知りするのでちょっと考えられない、とのこと。
へえ~猫でもそんなに違うんだ、個性があるんだなあと知った経験でした。
そのまた数年後、出張で指圧に行き始めたお宅は室内、室外それぞれ20匹以上を飼っている猫屋敷状態。
当時歩き始めた子猫たちが毛布から5匹出入りするのを踏まないように指圧をするのが大変でした。
その時も私はさほど猫には興味なく、猫屋敷唯一の犬がなついてくれるのが嬉しかったです。
向こうもそれがわかるらしく、私が玄関で靴を脱ごうとすると、ドーン!と後ろから体当たりして突き飛ばしじゃれるのです。
また、指圧をするために布団を敷いていると、犬が敷布団の真ん中にゴローンと横になってわざと邪魔をするのです。
ペットシッターさんが「本当にあなたのことがお気に入りみたい」と言って下さいました。
数十匹いる猫たちの中で、私にスリスリしてくれたのはほんの3匹ほど。
愛想がない猫よりもやっぱり犬の方が可愛い、とずっと思っていました。
今は旅行や帰省などでエミ、お福と離れると「寒くないか?寂しがっていないか?」つい、心配してしまいます。
まさか私がこんなになってしまうとは、本当に縁って不思議です。