20年くらい前にインドへ行ったとき、カルカッタで一日時間があったので、本で見つけたマザーテレサさんの教会に行きました。
タクシーに荷物を乗せたまま、教会の呼び鈴を押して伺うと
「マザーは今、医師の診察を受けている最中。30分待てば会えます」とのこと。当時、確かペースメーカーを使用されていたと思います。
教会内に通されてお待ちしていると、スタッフの中には日本人の男性もいらっしゃって話しかけられたことにはビックリしました。
その方がマザーのサインの入ったカードを下さり、私のカメラで写真まで撮ってくださいました。
写真なんて恐れ多くて、全く考えてもみないことだったので、ものすごく恐縮したことを覚えています。
私はろくにしゃべることができず、会話はほとんどしませんでした。
マザーはご自分より遥かに背の高い私の頭に両手を当てて「God bless you」とおっしゃったことだけ鮮明に覚えています。
私の前後にお待ちになっていた面会者はいずれもきちんとスーツを着た男性ばかり。
僅かな寄付金をお渡しして失礼しましたが、三年後くらいにマザーはお亡くなりになりました。
もっとちゃんとした身なりで伺えば良かった、もっとたくさんの寄付をすれば良かった、など今となっては恥ずかしいばかりですが、お土産にいただいたサインのカードを見ると今でも「きちんと生きなくては恥ずかしい」と背筋の伸びる思いがします。