大学時代、私は初めての一人暮らしで色々やらかしました。
まず、自分で初めて炊飯器で炊いたご飯は芯があってとても食べられたものではありませんでした。
食事のバランスなんて考えませんでしたから、毎朝一斤(4枚切)の食パンだけ!をバタートーストで平らげていました。
ご飯を炊いてもおかずが作れないので、ひたすらミックスベジタブルで焼き飯を作って、塩コショウまたは醤油またはソースまたはケチャップで味付けするという生活。あと作れたのはせいぜいお好み焼きくらいでした。
全く無頓着なので、食欲がなければ一週間くらい麦茶だけのときもありました。
ある夏の朝目覚めると、頭が重くて熱が38°を越えていました。這うように50メートル先のお医者さんへ行き受付をしたのですが、検尿コップを持ったままトイレにも行くことができず待合室で倒れました。
その診察でお医者さんに言われたのは
「あなたは栄養失調です。この点滴は一本二万円です。二万円あったら何が食べたいですか?こんな注射じゃない方がいいですよね~?」
もちろん保険がきくので二万円を支払うことはありませんでしたが、無知な女子大生にきちんとした食生活をさせるべく、子供を諭すようにご指導してくださいました。
なるほど納得、私はいつも貧血で何度やっても献血でダメと言われるわけです。
それから朝6時からのガソリンスタンドでのバイトを辞めて、まかないご飯が付く飲食店に変えたのでした。
今でもあの時のお医者さんの分かりやすくて理性的な説明を見事だったなあ、と思い出すことができます。
もし、あれがうちの父だったら、まちがいなく「バカタレ~!」と怒鳴られたであろう若き日の懐かしい思い出です。