二日で二万歩の帰省

歩くのが嫌いな母をやっと連れ出した。
たとえ愛娘の私を見送るためでも歩かない。
「私は走る!そっちは自転車でいいから新しくできた橋を観に行こう!」
その言葉でやっと重い腰を上げてくれた。
「ワシが生きとるうちは出来上がらんじゃろ」
早春亡くなった父が生前言っていた通り、この秋完成した橋。
「気持ちええなあ~、ええ所じゃ」と母。
秋晴れの下、清々しい風が吹いていた。