得意分野

洗足池で小さな魚たちを見た。
「この魚は何?」弟に写真を送信。
「多分オイカワ。右の婚姻色が出てるのがオス、それ以外はメス」
昔から弟は水族館でもレクチャーしてくれる。
彼と一緒なら人込みをかき分けて説明書きを読む必要がない。
高校時代には分厚い洋書の魚図鑑をひと夏で読破したほどの魚好き。
「給料無くてもイイから須磨水族館に就職したい」
そう切望する金欲のなさが当時の私には眩しかったことを思い出した。