瞼に浮かぶは好々爺

母がふた言目には父への感謝を口にする。
父は昨年末から入院、それまで老々介護で母は本当に大変だった。
家でずっと一緒だと睡眠不足で休めない、かと言って施設に入れるのも躊躇、結局ショートステイやデイサービスを併用。
それが丁度良い加減に落ち着き、父の頭もしっかりしてきたところだった。
家事はラクになったが寂しい母から毎日電話やメール回数が急増。
「お父ちゃんには本当にあちこち連れて行ってもらった」
旅行好きだった父への感謝の言葉を繰り返す母。
コロナ再燃で移動が躊躇われる中、改めて両親への愛慕と尊敬が募る。