思い出の品

あんのんでは枕カバーや指圧に良質の晒(さらし)を使う。
安物は一度洗濯しただけでほつれて長くは使えない。
何年か前、晒し布だけのために築地へ買い物に行った。
雑貨店で買い物を終えたところでなぜか店主がキッチンペーパーを下さる。
「新商品なので是非お試し下さい、差し上げます」
「いや、でも私たちは・・」
「どうぞ使ってみて、それで良かったら買いに来て」
固辞すれど、どうしてもというので頂いて帰った。
後で思うに私は和服姿、夫は坊主刈り、どうやら和食屋さんと間違えられた?
勿体ないのと申し訳ないのでまだ使っていない。