心臓。

CASIOの電子辞書EX-wordで「右」を検索してみました。
『広辞苑』では
“南を向いたとき、西にあたる方。⇔左。”
と説明されてました。
同電子辞書には『明鏡国語辞典』も入っていたのでこちらでも検索してみました。
“人体を対称線に沿って二分したとき、心臓のない方。体の右側。”
との説明。

『広辞苑』の説明には工夫が感じられます。
しかし、『明鏡』の方は、色々と・・・・。
「右」を説明するのに“体の右側”って、説明になっていないのでは?
更に、“人体を対称線に沿って二分したとき、心臓のない方。”
これは解剖学的に大問題です。
おそらく、この「右」の項目を担当された方は
心臓の鼓動は左胸に感じられるので、心臓は左にあって右にはないと思われているのでしょう。
しかし、心臓は全体の約2/3が身体の中心線の左側にはありますが、身体の中心に位置します。
なので、解剖学的見地から“心臓のない方”と言われても、「ん~。」となってしまいます。
この『明鏡』はたぶん初版だと思うのですが、2版ではどの様になっているのでしょうか?

この電子辞書に入っている英英辞典『Oxford ADVANCED LEARNER’S Dictionary』7th editionの「right」は
“北を向いた時に東にあたる方。”(多分、間違っていたらスミマセン。)
となっていました。

文字の国、中国の方々はどうなの?と思い、3社の中中詞典を引いてみました。
どれも一様に、『広辞苑』と同じ様な説明でした。
西洋では北を見て、東洋では南を向くというのも興味深いです。
“天子南面”と関係があるのでしょうか?