艱難辛苦 汝を玉にす。
苦労や困難を堪えてこそ立派な人間になれる。 西洋の諺(ことわざ)「逆境は人を賢くする」の意訳らしいです。
ずいぶん前に本を読んでいて、山中鹿之助の「願わくば、我に艱難辛苦を与えたまえ」というフレーズが出てきました。
初めて見た難解な漢字と意味で私は衝撃を受けました。
なんてカッコいいんだろう!と思い、なぜかこの言葉が心に刻まれてしまいました。
覚えたてホヤホヤで若かった私は、当時80歳代の会社経営者の方に、好きな言葉なんです!と言いましたら、
「そんなことはね、まだ余裕があるから言ってられるんだ」
と一蹴されてしまいました。
ちょっとシュンとしながらも、この方はまだ解っていない!と思ってしまうほど心酔したのでした。
それから10年以上の年月が過ぎました。
歳のせいでしょうか?とても恐ろしくて今、艱難辛苦を与えたまえ、なんて言いたくないです。
正直にいえば、幸せに、穏やかに、平和に生きていたいです。
ただ冷静に見ても、私はまだ苦労知らずだ、ということを感じます。
子育ても、従業員教育も、親の介護も、何も知らないのです。
艱難辛苦はこれからなのね?と思うと戦々恐々としてしまいますが、立派な人間になれる余地があるってことですものね。
他人の子供も、よその従業員も、生きている両親も大切にして、今できることをしようと思います。