カルカッタの思い出2

スタンガンは知人からの旅の餞別。
今では考えられないが、当時は機内手荷物で持ち込みできた。
しかし、あくまで護身用、使うつもりも覚悟も毛頭なかった。
この大男を後部座席からビリビリやったとしてその後どうなる?
ホテルは目の前、明日は早い。
悩んだ末、悔しいけれどUS$20支払うことにした。
到着後わざわざボスが慇懃無礼にお辞儀しながら後部座席のドアを開ける。
「ヘイ、チップは?」
「はああ~?」
カンカンに怒った私は「included!」と叫び、くしゃくしゃに丸めた$20札を後部座席に投げつけ、ホテルに駆け込んだのだった。続く