ツンデレ

hototogisu
二年前、両親が遊びに上京してくれた時のことです。まだ建築中のスカイツリーを見物に行きました。
お土産に配るからと言って母がスカイツリーのカレンダーを10本買ったため、父が5本ずつ入った紙袋を左右の手に持って歩き始めました。最近の父は足元がおぼつかない上にカレンダーはずっしり重い。
両手が塞がって危険だし、これは肩が凝る!と思った私は、紙袋を父から預かろうとしますが、1つしか渡してくれません。私は「大丈夫だからもう1つも持つよ」としつこく言いますが、頑として譲らないのです。
娘だから遠慮してるのかな?と不思議がっていると、やがて父が我慢できない様子で怒鳴るように言いました。
「ワシは恭子と手をつなぎたいんじゃー!」…想定外の返事にびっくり。
ツンデレの父を愛おしく思い、笑っている母に見守られながら、空いた手を繋いで仲良く歩いた次第です。
この不器用さゆえ、父はどれくらい誤解 されて来たことでしょう。
この血筋を私も引いているのです。(怖い)私も素直に穏やかにお話するように気をつけよう、と思いました。