無謀ソロツーリング20-1992年

カナダのキャンプ場で焚火を覚えた。
シャワーはあっても風呂のない毎日、焚火は寝る前の身体を暖め幸せにする。
Pine Riverの辺りで出会った女性が火のつけ方を教えてくれ、小型の斧までくれた。
バイクで走り出すと流れる景色は手前の黄緑、向こうの深緑、間にエメラルドグリーンの湖、遠い山になるほど濃紺から白みがかかり、晴れていれば空の青までがわざとらしいほど完ぺき。
時々、あの山はハリボテではないかと思うくらい高く、大きく、遠い。
これがPrince Georgeからは日本のような低くて丸っこい山々に。
Dawson Creekでは打って変わって一面が野原、滑らかな丘が続いて北海道のよう。
際立つ山々はどこにも見えない。
同じBritish Colombia州とは思えない穏やかさ。
ところがFort・Nelsonの後は工事やダートが続き、止まり、待ち、進みを繰り返す。
そのあげく、箱根のようなコースがダートとラフの繰り返しで始まった。
辛い、ほとほと嫌になって引き返したくなる。