二人で初めて暮らした住まいは、銀座まで徒歩15分ほどの好立地でした。
そういえば聞こえは良いのですが、築50年以上の古いアパートで、
雨漏りするし、暗くて狭くてネズミ、ゴキブリが出ました。
エアコンは取付不可で夏は扇風機を回しっぱなし。
暑くて眠れず、本当に辛い日もありました。
一口コンロ、小さな冷蔵庫に食器棚しか置けない台所。
お風呂はトイレと洗面所も一緒のタイル張りで窓には自分たちで買った網を張りました。
物干しは狭い共同通路で譲り合い、雨が降ると居合わせた者が他の世帯の洗濯物を預かるのも普通でした。
一度、大家のお婆ちゃんが酔っ払って歩けないのでトイレに連れて行って欲しいという要請があり、
二人でお手伝いに行ったのは、懐かしい思い出です。
不動産屋さんがこのアパートは地震には耐え難いから更新しない方が良いと言って下さっていたところ
成り行きで猫を飼うことになり引越がとんとん拍子に決まりました。
翌年、そのアパートは取り壊され、今は立派なマンションになりました。
もし猫がうちに来なかったら、もしアパートが取り壊されていなかったら、
3/11の地震でどうなっていたか、ちょっと怖いです。