「殿、お逃げ下され。しんがりはそれがしがつかまつる…」
というようなセリフ。
私は時代劇で「しんがり」という言葉を知ったと思います。
「しんがり」という意味は、戦の時に逃げる隊の一番後ろ、とだけ認識していました。
恥ずかしながら、私はこの本を読んで初めて、高い確率での死を覚悟した「しんがり」の意味を知りました。
しかも「しんがり」は「殿」という字を書くのですね。
びっくりしました。なぜでしょう。
この本では「しんがり」は自分で名乗り出ていましたが、いつもそうだったのでしょうか?
指名するのもされるのも嫌なものでしょうに、名乗り出る者がいなかったらお殿様もガッカリだったろうなあと、余計なお世話を考えてしまいました。
この本は、関ケ原の戦いでありえない程の長距離を逃げ落ちる島津隊のお話がメインです。
その中で、お気に入りの大切な部下に「しんがり」で死なれながら
生きて国に帰る僅かに生き残った島津隊のお話が印象的で
私は自分がお殿様になってじーんとしていました。
それにしても、人望のある男らしい人が若くして命を全うできないのは悲しいです。
もう戦争など今以降、どこにも起きないでもらいたいと強く思いました。