指圧は力で圧すものと思われている方がいらっしゃいます。
実は基本的には、体重移動で寄りかかっているだけです。
指先の余分な力を抜いて垂直に適度に体重を乗せると、受けている方はズッシリと圧がかかり気持ちよく感じます。
「えい、えい」
と手先の力だけでグイグイ圧すと、受け手は気持ちイイどころか不快な痛みを感じる上に、圧している自分の指もすぐに痛くなります。
もっとも、最初の頃は指ができていないので、いくら正しく圧していても何人か指圧していると親指の関節が痛くなります。
初心者の指圧師が赤く腫れた指を握りながら痛がるのを見ると、昔の自分を懐かしく思い出したものでした。
そういう時は親指に小さな保冷剤をセロテープで巻きつけてよく冷やしていました。アイシングですね。
「大丈夫、そのうち慣れる。指ができるまでの辛抱だから」
自分がそうしてもらったように手や腕を指圧してあげながら新人さんを励ますのですが、そういう時に限って「もっと強く!」とリクエストする方が当たっちゃうんですが。(笑)
ベテランになっても、体調が悪い時やなんとなく上手く圧せない場合は、集中力が散漫になり、この基本の圧し方ができなくなっている場合があります。
基本に戻る、とはいつまでたっても大切なことだと迷うたびに思うことです。