あんのんを開業して約3年、この間多忙な佐々木先生がこちらにいらっしゃったのは3回ほどでしょうか。
最後は昨年2015年の9月でした。
予約もナシに突然入ってきて、
「肺がんになってしまった。指圧してくれ」
仰天させられたのがついこの前のことのようです。
精密検査の結果、ステージ4=末期の肺がんと分かり、一時抗がん剤治療も受けましたが、間もなくそれもやめ親族の方の元で養生し、昨年末お亡くなりになりました。享年68歳、早すぎる死でした。
指圧が好きで、治療が本当に上手で、天真爛漫な子供のような一面を持つ方でした。
「指圧してくれって言う人がいっぱいいるから治さなくちゃ」「復活せねば!」と言って最後まで生きることを諦めませんでした。
私たちは先生の指圧をするために青森までお見舞いには行きましたが、仕事の都合上葬儀などに行くことができませんでした。
そのせいか今でもまだその死が信じきれないでいる、というのが正直なところです。
寂しいけど、悲しみに浸ってばかり、というわけでもないのに、
なぜか私はこのお正月、心からの「おめでとう」を言うことができず、全く正月花を飾る気持ちにもなれない、という初めての経験をしました。
街で佐々木先生と同世代の後ろ姿が似ている方を見かけると今でも「ハッ」としてしまいます。
先生の薫陶を受けた者の一人として、しっかり指圧を続けなくては申し訳ない。
いつかあちらで再会した時、「私も頑張りましたよ!」と胸を張りたいです。
優しい優しい優しい佐々木先生、本当にありがとうございました。