私が指圧の世界に入ったのは30代になってからです。
世界中を旅したくて、一人でも生きてゆけるようにと「自分のため」に選んだ道。
決して「世のため、人のため」ではありませんでした。
でも本当は親から逃れ、自分の居場所がなくて困ってもいました。
わがままで自己を顧みることをしなかった私は、上司とケンカしては仕事を辞めるのを繰り返していたのです。
就職するたびに、今度こそは一生勤めよう!と決意を新たにするのですが、毎回2年以内に終わっていました。「石の上にも三年」という諺があるのに、なかなか三年もたないなあと我ながら不思議に思っていました。(笑)
「もしかして、自分が悪いのかしら?」と気づくまでどのくらいかかったことでしょう。
そんな私に指圧を教えてくださったのが、元、ジャパン指圧センターの佐々木久雄先生でした。粘り強く、大きな懐で愛情深く接して下さいました。
指圧の師匠ですが、親のようでもある恩人です。
たった四年ながら、私の指圧師としての礎を築いていただきました。(でも、この時も二年で一度辞めたんですよね)
このたび東京を離れ、遠くへ行ってしまわれたことは残念で寂しい限りですが、ご恩を忘れることなく精進して参りたいと思っています。本当に長い間ありがとうございました。