初めて「老子」を読んだのは、主人がまだ一同僚だったころのことでした。
本好きな主人はアパートの床が抜けるのではないか、と言われるほど給料を多くの本代に投じていました。
主人は高校時代から「老子」が大変好きだったようで、私にそういう類の本を貸してくれました。
それまでの私は「言いたいことはたとえ相手が上司であってもはっきり言う」「自己主張できないと負ける」という考え方で、裏表のある日本よりも白黒はっきりしているアメリカの方が暮らしやすいと感じていました。(実は外国で暮らしたことも働いたこともないのですが・・・)
「老子」はそういう意味では価値観がガラリと変わるような衝撃で、物事のあらゆることを別の方向から見ることができるような面白さがありました。
あまりしゃべらず、友達も少なく、何を考えているのかよく分からなかった主人のことも、この本のおかげで違う見方ができて魅力的に見えるようになったのです。
結果として私がまさかの40代で結婚できたのですから、そういう意味では「老子」さんに感謝しなくてはなりません。(笑)
今でもたまに読みたくなる老荘思想、深いです。