朝、台所に立つといつものようにお福が足元にやってきました。
座っているお福の黒目が大きくなってアイコンタクトをとってきます。
私が黙ってうなずくとジャンプ!私の胸に飛び込んできます。
ここでもし私が何もしないと、お福は落ちないように四肢の爪を立て、私が傷だらけになるのは必至。
こちらも必死で抱っこします。
そしてお福はいつものように抱えられた腕の中で自分の後ろ足の肉球を吸い始めるのです。
「チュッチュッチュッチュッ」
時に半眼、時に完全に目をつむって指しゃぶりの恍惚の表情。
「微笑ましいなあ」
見ていた主人がつぶやきました。
最初は肉球にカラシでも塗って止めさせないといけないかと思った私ですが、もうすっかり慣れました。
眠るときも脇の下で丸まって指しゃぶり、かわいいです。
やがてご飯の時間、猫用の茶碗を出して準備しはじめると、飛び降りるお福。
テンションが上がるのか、いつもお福がエミの頭をなめて毛づくろいを始めます。
「えらいねえお福、良かったねえエミ」
でも毛づくろいをしているうちに必ず猫パンチして跳びかかるようになるのです。
「なんでそうなるの?仲良く、だよお福」
お福の様子を見る限り大した威力はなさそうなので、いつも放っておきますが、なぜいつもそうなのかわかりません。
ケンカ?というと主人はじゃれているだけだと言います。
まだまだ不思議の多い猫たちです。