必死にするだけ

指圧学校を卒業直後は免許があってもてんで使えない。

それでも師匠と同じ金額を頂くからにはと必死で指圧していた。

大喜びで帰ってゆく方がいるととても嬉しかったが、

「今までよっぽどヘタクソな指圧を受けてきたんだなあ、あの人」

師匠のウソ偽りのない言葉に胸がチクリと痛む。

今も、上手くできた時天狗にならぬ戒めの言葉として心に刻む。

考え過ぎても、考えなさ過ぎてもダメ。

分かった!と思ってもまた分からなくなる。

指圧はいくつになっても、必死でやるしかない。