20代、アメリカをバイクで一人旅していたことがある。
ある時、レストランで食事をごちそうしてくれた男性、そこが広島に原爆を落としたエノラゲイを作った街だと教えてくれた。
たまたまとはいえ驚いた。
「知らずに来たのか?アメリカを恨んでいないのか?」沢山の質問に、たどたどしい英語で正直に答えた。
最後に、近くの街でモーテルを経営する女性に渡すよう手紙をことづかった。
夕方、彼女に手渡すと封筒にはお金も入っており、手紙に私へ一泊と朝食のプレゼントをと書いてあった。
テント泊の私に部屋を与えた恩人に当時十分お礼も言えなかった悔しさを思い出す。