今でもよく覚えていることですが、飲食店で働いていたころに同僚から
「恭子さん、これを運ぶのをお願いしてもよろしいですか?」
と、言われて感動したことがあります。
当時私は社員であり、この時初めて女子大生のバイトさんから感じ良く人に物事を頼む言い方を教わった気がしました。
もし私が逆の立場だと頼みづらくて自分でやっていたかもしれません。
せいぜい、「すみませんが、***を***してください」くらいしか言い方を知りませんでした。
下手をすると、自分で仕事を抱え込んだ挙句に「気が利かないなあ、手伝ってくれたらいいのに」
と不満に思うかもしれません。
自分がそう感じたこともありますし、逆に、明らかにそう思われたなと気づくこともあります。
「言ってくれればいいのに・・・」
と思うようなことは山ほどありますが、言い方ってけっこう難しいです。
同じように、普段の生活でも主人が(あるいは妻が)家事を手伝わずにボーっとしてるとイライラするとか、よくありますよね。
でも相手は考え事をしてたり、やっと帰宅してくつろいでる瞬間なのかもしれません。
言い方次第では、絶対に手伝わないぞ!という気持ちにもさせられます。
なるべく気持ちよく一緒に過ごしたいから、どういう言い方なら嫌じゃないかを考えます。
すでに自分がイライラしてしまったら、ちょっと話すのを待つか別のこと(私の場合、常備菜を作る)をするようにします。(結果的におかずが増えてケンカにならなくて一石二鳥です)
まあ、それができなくてきつい言い方になることもありますが、主人の器で平和に過ごせています。(ありがたやありがたや)
物の言い方、思いやりは年齢ではないんだなあ、とつくづく。
二十年も前のひとことなのですが、あの方に会えて良かった、と本当に思います。