以前、友人と築地場内でランチのお寿司を食べに行ったとき、
私も友人もセットの中のウニが苦手なので代わりに別のネタをお願いしました。
すると板前さんが「ウニを食べたことがあるんですね?これ、ちょっと味見してください」
と小皿に少しだけウニを出してくださいました。
それは甘くて臭みのない上等なウニの味で、二人で顔を見合わせました。
私の父はトマトやスイカが嫌いでしたが、つい先ごろ食べるようになりました。
出先で食事に出されて仕方なく口に入れたトマトがとっても甘くて
「おい、トマトはこんなにおいしかったか?」
と傍にいた母に聞いたそうです。
先日、東京に遊びに来てくれた時もスイカを出すと、父は首を横に振りましたが
ちょっとだけ味見してもらうと甘さに驚き、ニコニコで完食!
昔から自宅の畑でトマトもスイカも作っていて、その味の記憶で
何十年間ものあいだ美味しくないものと決めつけて口に入れなかったようです。
きっと品種改良もあってずいぶん美味しくなったのでしょう。
もちろん良い品を買ったことは言うまでもありませんが
食わず嫌いというか、知らず嫌いってけっこうありそうな気がしました。
それにしても80歳で克服する食品ってあるんだなあと感心しました。