15年ほど前でしょうか、両親を連れて台湾旅行へ行ったことがあります。
広島と東京からそれぞれ出発して関空で待ち合わせ、飛行機と最初の一泊だけ予約しておき、あとの8泊9日は全て現地で決めてゆくという当時バックパッカーの私らしい旅でした。
結局は電車で台北、台中、高雄まで移動して、飛行機で台北へ戻り温泉に入って終了というコースでした。
両親は途中、台中で知人宅に泊めてもらったことや夜店、故宮博物館を特に気に入ってくれました。
携帯をまだ持っていなかったころでしたので、毎日ガイドブックを見ながら公衆電話で宿の予約をしていたのですが、私の拙い中国語&英語ゆえテレホンカードがあっという間に消えてゆきます。
「もうすぐなくなっちゃう!」
ある時電話中に焦っていたら、通りがかりの見知らぬ台湾人の方がご自分のテレカを差し出して去って行かれました。
ビックリしましたが、両親と共にお礼を言いました。
ところがそんなことが旅行中、何度も何度もあったのです。お金も受け取らず、皆さんニコニコと去って行かれるのです。
「台湾の人はすごいな!何て優しい!ありがたい!」
団体ツアーしか知らなかった両親にはあらゆる意味で驚きと感動に満ちた旅となりました。
今でも両親と話題に出る台湾の思い出話です。