昨日は映画「エベレスト」を観てきました。
ずいぶん前の実際に起こった出来事でしたが、私は当時の記憶も残っていますし、本も読んでいたのでわりと冷静に観ることができました。映画館を出たあとに主人に感想を求めたのですが、「わざわざ危険な登山をしに行く気持ちが理解できない」と一蹴されてしまいました。政府から渡航禁止と言われている危険な国に行ってしまうのと同様、ととらえているようです。(登山家や不快に思われる皆さん申し訳ありません)
なるほど確かにそうかもしれません。
私は20代のころから10年ほど?毎月知人と少人数で関東の山歩きを楽しんでいた時代があります。
頂上をめざす登山も山小屋に宿泊しながら尾根を歩き続ける縦走も、体力的にキツいのですが、素晴らしい景色や鳥のさえずり、温泉や美味しい食事など楽しむことができます。たとえ缶詰やおにぎりだけでも、猛烈にごちそうに思えて本当に食事が楽しみでした。あの達成感があるからどんなに翌日筋肉痛でもまた行きたくなるのだと思います。
当時は夢枕獏さんなどエベレスト関係の本にちょっとハマり、いてもたってもいられずザックをしょって夏に登山靴をはいたまま単身ネパールのカトマンズにも行きました。せめてヒマラヤのベースキャンプくらいは行ってみたいと思ったのですが、結局ポカラと北インドを一か月ほどウロウロしただけで帰国しました。
「一生自慢できるぞ!」
映画の中のセリフですが、確かにエベレスト登頂すればその通りでしょう。しかし、自慢することのために命を懸けて行くのだろうか?と私は引っかかりました。少なくとも私はどの山でも歩き回ることが楽しかったし、心身ともに自分を鍛えることになると勝手に思っていました。
登頂を果たした日本女性、難波康子さんのように7峰制覇という目標も理解できなくはないのですが、そんなレベルに達する遥か前に私は山へ行くことがなくなってしまいました。ガイド役の方がやめてしまわれたのがきっかけですが、一人でも続けようとまでは思わないあたり、バイクや海外旅行ほど好きではなかったのかもしれません。なんであれ、今生きていることに感謝します。