初めて伊勢神宮に参拝した時のことです。
外宮,内宮の順に参拝するのが正しいと知り、外宮前の旅館に主人と宿泊しました。
夕食と朝食を部屋に運んでくれたのは80代位の女性。
もしかすると家族経営の宿なのかもしれません。
東京から来た、と聞くや女性が意外なことを言いました。
「じゃあ新幹線?私はここから出たことがないから乗ったことないけど」
「え?生まれてから一度も三重県から出てないんですか?」
「はい、三重県というか、伊勢市から出たことないです」
すました笑顔でそう言われました。
そんな方がいらっしゃるんだ!お転婆な私には衝撃。
恐らくこのまま一生、ここで過ごすであろうと思われました。
どんな人生だったのか、世界中を飛び回る方よりもレアな人生経験を聞いてみれば良かった、と今でも思う懐かしい思い出です。