少し前ですが、『ライフ・オブ・パイ』という映画を見ました。
主人公のパイさんが同じ船でトラと海を漂流するというお話です。
パイさんがまだ小学生の頃、お父さんは動物園を経営してらしたのですが、
お父さんの目を盗んで獰猛なトラに餌をあげようとしました。
小学生のパイ君の体の大きさからすると簡単にオリの中に引きずりこまれてしまいそうです。
間一髪で、お父さんがそれを見つけて事なきを得たのですが、
その時の叱り方がとても印象的でした。
「トラは優しい動物ではない、非常に危険で獰猛な動物だ!
もし、このトラが優しい動物だと思っているのならば、それは自分の優しさをトラに投影しているだけにすぎない。」
というような内容の叱り方をしたのです。(たぶんこういった内容だったと思います。)
なんと宗教的な叱り方でしょうか。さすが宗教の国インド。
でも、本当に実生活でもこのような叱り方をするのでしょうか?
しかも小学生にこの意味が理解できるような教育が普段からなされているのでしょうか?
映画の趣旨とは全く関係の無い場面だっただけに、却って記憶に残りました。
そして、この内容から思い出されるのがこの禅問答。
「旗が揺れているのか?風が揺れているのか?」
「お前の心が揺れているのだ。」